続・あなたの色に染められて
第10章 マタニティ・ライフ
『はいはい何ですか?』
ポツリポツリと本日呼び出された理由を語り始める璃子は頬も首も真っ赤に染めて私たちを楽しませてくれる。
『みんな…妊娠中もあの…その…』
『してたわよ。』
『…へ?』
『するでしょ普通。』
最後まで問題を聞かなくたって答えられる私たちは恥じらいなんか捨ててしまったのだろうか…
『でも…赤ちゃんにその…あの…当たったりしない?』
それとも 京介さんのサイズの話?…そんなわけないか。
『あのねぇ璃子ちゃん。妊娠中には妊娠中の仕方があるのよ。』
『…仕方』
『そうよ。そのぐらい京介さんだってわかってるわよ。』
先日京介さんたちと呑んだ直也が 指一本触れさせてくれないって頭を抱えてたって笑ってた。
百戦錬磨だった京介さんが大人の世界の初心者の璃子に手こずってる様はいい酒の肴らしい
そんな真面目な璃子のことを考えてくれる京介さんが可哀想だから
『アンタもしかして妊娠してからヤってないの?』
『…え…』
『図星か…可哀想。』
少し懲らしめてやる。
私の思惑が幸乃さんにも伝わると幸乃さんは声を一段と小さくして
『いいのかなぁ…あれだけモテる人だよ?浮気されても知らないよ?』
『う…浮気ッ!?』
さっきまで真っ赤な顔してた璃子が今度は顔面蒼白状態で固まる
『アンタねぇ…妊娠中は体型も変化して女として見て貰えなくなって浮気される率が上がるのよ?』
『そうなの?』
お腹や腰をサワサワと触りだしてどんどん悄気ていくその様は想像はできたけどやっぱり面白い。
『もし その気にならなかったらその時はちゃんと断ればいいし、それでも納得してくれなかったらその時は…ねぇ?美紀ちゃん。』
幸乃さん…そこを私に振るのですね。
『パフェ食ってるその口で頑張れ。』
『…ッ!』
まったく 本当にこの子は私と同じ歳?まるでゆでダコみたいに全身真っ赤に染めて 同級生だよね?
『頑張る…』
こりゃ京介さんも過保護になるわけだ。
『赤ちゃんもパパとママが仲良しだと嬉しいと思うない?』
『…思います。』
『二人だけで過ごせる最後の時よ。京介くんにたっぷり甘えなさい。』
『…はぃ。』
『明後日はバレンタインよ?私を食べてってリボンでも付けてベッドで待ってれば?』
『もう!美紀っ!』
ホント 璃子をイジメるのって楽しい。