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続・あなたの色に染められて

第10章 マタニティ・ライフ


『…京介さん』

…そんな潤んだ瞳で見んなよ

璃子の肌に触れた瞬間抑えていた理性が疼き出した。

…まだだ…焦るなオレ

バレンタインの今日…予想通り璃子がヤキモチ妬いてくれた。

それもすげぇ分かりやすく…愛らしく…

いつもは昼飯を共にするのに 自分の机でさっさと平らげて 愛読書のたまごクラブをパラパラと捲る。

「仕掛けるならバレンタインの日だな。」

妊娠してから一度も抱いていないと口を滑らせてしまった先週の呑みの席

思いっきりその話に食い付いたのは長谷川さんと最近先輩面する佑樹と直也

璃子のことをよく知ってるこのメンツは頼んでもいねぇのに勝手に作戦会議を開いてた。

最初はくだらねぇと鼻で笑ってたけど 考えてみりゃもう丸々2ヶ月素肌に触れてもいなかった。

そりゃそうだ…可愛い唇にだって先月の終わりにやっと味わえたほど 璃子は悪阻で苦しんでいたから

夜だって俺がベッドに入る頃にはもうすっかり夢の中で、こっそり起こさないように体の線をなぞるのが精一杯

健康な男子の俺からすると就寝タイムはまさに拷問だった。

そりゃ今月に入って何度かタイミングはあった。…けど唇に熱を持つほど重ねたって

「おやすみなさい。」

ニコリと微笑んで言われりゃ、体がまだキツいんだとガキみたいに高鳴る俺の胸に言い聞かせて

「おやすみ」

抱きしめることしかできなかった。

そんな悶々とする日々の間に“バレンタイン”というピンチをチャンスに変えられるイベント

ヤツ等の言うとおりこれに乗っからないとまた溜め息ばかり吐き続ける夜が訪れてしまう。

だから午前中は事務所でパソコンに向かい璃子にわざとあの光景を見せつけた。

で…今…

たぶん作戦は成功。アイツはずっと頬を膨らませ唇を尖らせる。

強引だけど風呂に乗り込み、今日こそは背中に腕を廻してくれと願いながら湯船に体を滑り込ませた。

…ホントに大丈夫か?

でも、久しぶりに触れた肌はやっぱり俺好み…柔らかで滑らか

…妊娠したから?すげぇおっぱい大きくなってんだけど

急に入ったから久しぶりに透明な湯…

引き寄せられるようにそっと手を滑らせた膨らみ

睨み付けたら俺の負け

でも…

…ビクンッ

『出ようか?』

俯きながらコクりと頷けば

完全勝利…

後はチョコレートよりも甘い体を堪能するだけ

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