続・あなたの色に染められて
第10章 マタニティ・ライフ
…あれ?まただ。
『良かったな、アフォガード食えて。』
『うん!美味しかったぁ…』
帰りの車中でも続くこのお腹の違和感
『あんなに喜んでくれるなんて思わなかったよな。』
『帰りにはお腹まで触ってくれたもんね。』
痛いわけでも張ってるわけでもない。
…食べすぎて腸がビックリしてるのかな
擬音で例えると
…ポコポコ?
奥底で音が鳴るっていうか…感じる。
まぁ 確かに妊娠してから少し便秘気味なんだけど
『どした?』
『…へ?』
『さっきから腹ずっと擦ってるけど…』
いけないいけない…うちのダンナさまは“超”が付くほどの心配性なんだっけ
『えへへ…少し食べすぎちゃったみたい。』
少しの変化や顔色を見逃してはくれない。
『ならいいけど…』
柔らかく微笑むと繋いだ手を引き寄せ甲に優しく唇を押し付けた。
**
…どうしたんだろ
違和感はお風呂から出てもたまに感じた。
…えと、たまごクラブたまごクラブ
京介さんがパソコンを覗いてる間に調べなきゃ
5ヶ月目でお腹の違和感…っと…
暇さえあればページを捲ってママになる準備をしてきた。
…あ…そか…
『どした?』
何も言ってないのに過保護なパパのセンサーはすぐに反応して
『おぃ~ やっぱ体調悪かったのかよ。』
そっと肩を抱き寄せた。
『…ううん。』
『ツラいならツラいって言わねぇと…』
言ったらまた大袈裟に喜んでくれるかな
『胎動…』
『胎動?』
『赤ちゃんがねポコポコって動いてる…』
『マジ?』
ほらね…肩に廻していた手は一瞬で私のお腹へと移り
『今動いてる?』
『今は動いてないかな。』
ならばと私の膝にゴロンと寝そべって
『おーい。いつでも蹴っていいぞぉ。』
『ちょ…ちょっと。』
私のお腹に直接耳を当てた。
すると
…ポコポコ
『あ!動いたよ。』
『は?』
『ほら今…ポコポコって、聞こえない?』
『…聞こえねぇ。』
大きな溜め息をつきながら私の愛読書に手を伸ばすと
『なんだよ…俺が解るようになるのはまだ先じゃん。』
ズルいと言いながらもお腹にキスをしてくれるお腹の赤ちゃんをこよなく愛するダンナさま
『パパが拗ねてるよぉ。』
『拗ねてねぇし。』
唇を尖らせながら私のお腹に耳を当て期待してる彼が愛しくて堪らなかった。