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続・あなたの色に染められて

第12章 新しい生活


『…ッ…クッ…』

充分過ぎるほどの熱を貯めこんだ彼を頬張り握りしめる私

なかなか上達しない私は彼の荒い息を感じながら舌を這わせて正解を模索していた。

躊躇うほど大きい熱は顎を苦しめ 喉の奥を突き刺す

『…うえっ…』

『バカ…大丈夫か?』

どこまで頬張ればいいのか解らずいつものように嘔吐いてしまう。

見かねた京介さんが私の肩をトンと叩くと

『…手も動かしてごらん。』

添えてあるだけの私の手を上下に動かした。

『そう…上手だ。』

…そういうことか

口に入らない分は手で補うのか…

今さらなんだろうけど滅多なことがない限り彼は私にこの行為をさせない。

いつも私の心が不安定なときに困らすように彼を勝手に求めていたから

でも 今日は今までとは違う。

出産して確実に私の体型は変わっていた。

出産前に着ていたデニムは尽くチャックが閉まらず大きな溜め息を溢させていた。

そんな私の体を今まで通り求めてくれたことが嬉しかった。

『…っ…ヤバい。』

だから キスを交わすこともなくこんな形で彼を愛し始めてしまったんだと思う。

私の後ろにはベビーベッドですやすやと眠る恵介がいるのに

『…そろそろ…』

彼の前ではいつまでも女でいたいと思う私は母親失格なのかな

でも 私だって京介さんが欲しい

京介さんは私の髪をかきあげながら視線を合わさせ眉間にシワを寄せると

『…っクッ…イクよ…絶対飲むなよ。』

返事をする間も無く

『…ううっ…』

貯まっていた熱を発散した。

何度 口にしても馴れないこのマッタリとした味を受け止めると

『飲むなよ!飲むなよ!』

ずいぶん前に京介さんを困らせたことを思い出す。

『ううっ…』

テーブルに置いてあるティッシュを無造作に何枚か取り

『出せ。』

『…ううえっ…』

素直に吐き出した。

『今水持ってくるから。』

京介さんは私の背後で処理をするとスルリとデニムを履いてキッチンへと急ぐ

『…うううっ…』

私はというとソファーに突っ伏し疲れた顎を擦っていた。

『キャッ!』

彼は強引に私の体を引き上げると膝の上に乗せ

『…んぅ』

間髪入れずに私の口内へと冷たい水を注ぎ込み

『解禁したらたっぷり可愛がってやるからな。』

と 射抜くような瞳を向け私の顔を真っ赤に染めさせた。

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