続・あなたの色に染められて
第12章 新しい生活
『もう寝たのか?』
璃子は寝室のドアを静かに閉めるとニコニコしながら俺の隣に座った。
『京介さんがたくさん遊んでくれたからコテッと。』
いつもならこの時間に仕事から帰ってくるようなそんな浅い時間
『なんかおつまみ作りますね。』
璃子はビールを飲んでる俺に気を使い足取り軽くキッチンへと向かった。
今日一日 久しぶりにのんびりとした時間を過ごした。
璃子は相変わらず忙しなく動き回っていたけど 俺がいることで穏やかに過ごせたと晩飯の時に酌をしてもらいながら感謝された。
『はい どうぞ。』
『サンキュ。おまえは飲まないの?』
『授乳中だから。』
璃子はミルクティーのカップを両手で持って目を細める。
いつぶりだろう肩を並べてテレビを見るのって
『アハハっ。』
『こいつら面白いよな。』
璃子がソファーの上で体育座りをしながら俺の肩に寄りかかる。
ケラケラと笑いながら手を叩き その度に璃子の重みが俺の心を穏やかにする。
『面白いねぇ。』
『な。』
ふと重なった視線
…チュッ
今の今までテレビを見て笑っていたのに
…チュッ…チュッ
一度重ねてしまえばどちらからともなく求めあい
…チュッ…チュッ…チュッ
璃子の腕が俺の首に回ると
『ふぁっ…』
それが合図となり舌を絡ませ唾液を交換する。
『…京介』
璃子は吐息の狭間で甘く艶のある声で俺の名を呼んだ。
*
『…璃子』
耳元で囁くこの掠れた声が私は大好き
『…んァっ…』
『耳 気持ちいい?』
私の耳にだけ聞こえるこのザワザワという彼の舌の音
『…んあっ…』
奥へとその長い舌を押し込まれれば私は声にならない声を上げてしまう。
『イヤらしい声…』
唇を耳に当てながら囁くその声は下腹部へとダイレクトに響いた。
『もっと聞かせてよ。』
耳に首筋に唇に…
何度も往復するその冷たい唇は私を淫らにさせていく
『ヨイショ。』
抱き上げられ膝の上に跨がると
『もっと口開けて。』
少しだけ私が見下ろす形になる。
『ヤだよ。唾が…』
『それが欲しいの。』
頭をグイッと押さえつけられお互いの歯が当たるほど唇を密接させる。
…ジュル
わざとらしく京介さんは私の唾液を吸い込む。
『…んっ…』
テレビからはまだ芸人さんの元気のいい声が流れていた。