続・あなたの色に染められて
第4章 夏祭り
合わせから差し込まれた柔らかな手がゆっくりと肌を這い上がり襟を掴むと
璃子は一瞬顔をあげ背中に腕を廻しながらゆっくりと襟を引き下ろす。
…シャ
背中に廻った華奢な腕が俺を包み込むと束ねた髪からほんのりと甘い香りがした。
『…璃子』
抵抗してだいぶ崩れた髪に刺さっている 鼈甲のかんざしを引き抜くと 鼻を擽る甘い香りとともにハラリと柔らかな髪が華奢な肩に舞い落ちた。
『…綺麗だよ』
髪をほどいたことで 表情は見えなくなってしまったけれど 恥ずかしがり屋の璃子には好都合だったよう
『…キス。』
『ん?』
『ここにキスしてもいいですか?』
少し大胆になったのか頬を擦り寄せ甘える璃子はまるで子猫のようだった。
『どうぞ お好きなところへ。』
指をそっと這わせると鼓動が一番響く胸の中心に口づけた。
『フッ ずいぶん積極的じゃないの?』
さっきまであんなに恥ずかしがっていたのにな。
愛しさのあまり抱きしめると
『ありがとう 京介さん。』
璃子もギュッと腕に力を込めて俺の胸に頬を埋める。
『花火…まさか来てくれるなんて思ってもみなくて。』
お互い汗ばんだ肌が心地よく吸い付いていた。
『スゴく嬉しかったです。』
やっと顔を上げると顔をクシャクシャにして微笑んだ。
『来年は最初から一緒に見ような。』
『そうですね。』
約束をするように柔らかなキスを交わすと 自然と額が重なって 愛らしい瞳とぶつかった。
二人して浴衣をはだけさせ 背中に手を廻す俺たち
『さて 祭りのフィナーレを飾りますか?』
『フィナーレ?…んァっ…。』
窪んだ背筋にツーっと指を這わせると さっきまでの愛らしい顔が 一気に吐息を漏らしオンナの顔になる。
『浴衣姿のおまえを抱かないと 祭りは終わらねぇだろ。』
『…んぅ。』
髪を耳にかけながら囁いて 耳朶に光るハートのピアスを口に含むと 璃子は俺に体を預けた。
両手で頬を挟んで甘い口づけを交わす。
舌を絡めて唾液を交換して
『こうすると 音が響くだろ?』
頬に添えていた手で両耳を塞いでやると 舌を絡ませる音がダイレクトに璃子に届く。
『…いやらしい顔』
その音が璃子の体に熱を加えると璃子も手を伸ばし俺の耳を塞いだ。
舌を絡ませれば絡ませるほどクチュリクチュリと奏で俺たちを酔わせた。