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続・あなたの色に染められて

第5章 サマーバカンス


お盆休みの渋滞に巻き込まれたけど 朝早く出発したおかげでなんとかお昼前に到着した。

『萌ちゃんのお父さんって何者?』

そう聞かずにはいられないほどまるでプチホテルのような大きな別荘

『まぁ 平たく言えば大工です。』

そう軽く受け流すけど 噂じゃ都内にいくつものビルを施工しているかなり有名な建設会社の社長さん

『でもスゴいよね。西伊豆が南仏に見えるもん。』

男性人はテラスでバーベキューの準備。

女子は開放的なテラスに続くリビングでミントティー片手に日頃の疲れを癒して

『だって 家にプールだよ?』

チビッ子たちは目の前のプールで早速大はしゃぎ

『そうですか?ここの別荘は小さい方なんですよ。』

なんて 私たちの溜め息を誘った。


『おーい、そろそろ始めるぞ!』

長谷川さんから声がかかると私たちはビール片手にテーブルに集まって

『では 萌ちゃんのお父さんのご厚意に甘えて…かんぱーい!!』

『『かんぱーい!』』

昼間からビールなんてすごく贅沢

キラキラと光るプールの向こうにはプライベートビーチさながらの大海原が広がって

『璃子ちゃんどうぞ。』

『あっ、タケシさんありがとうございます。』

後ろの方で海を眺めていた私に 直也さんと同級のタケシさんが私にお肉を持ってきてくれた。

『おいコラ!タケシ!璃子に近づくんじゃねぇ!』

それを見ていた京介さんはトング片手に大きな声で何やらご立腹。

『いいじゃないですか!少しぐらい!』

いつか タケシさんが私に好意を持ってくれてるって聞いたことはあったけど

『ダメだ!おまえはこっちで焼き係!』

そこまで警戒しなくたって…なんてタケシさんと苦笑いすると

『京介さんは相変わらずだな。』

肩を叩くのは直也さん

でも こんな気取らない風景も久しぶりなのかもしれない。

『璃子ちゃんも相変わらずヤキモチ妬きのダンナさんで大変だね。』

『ホントです。』

真っ青な空に真っ白な雲。

潮風に髪がなびけば もう 夏を満喫するしかない。

『ほら 口尖らせてヘソ曲げてるダンナさんのところに早く行ってあげな?』

長谷川さんに背中を押されて 一歩前に進むと

『京介 汗かきすぎ!』

…あ。

汗で光る額を甲斐甲斐しく拭いてあげる私のダンナさまの幼馴染み

そう この場所には彼女もいるんだった。

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