続・あなたの色に染められて
第5章 サマーバカンス
『何でおまえらと入らなきゃいけねぇんだよ。』
『仕方ないじゃないですか。』
この別荘はときに保養所にもなるらしく旅館並みの大きな風呂があった。
家族ごとで…という話もあったが 寝ている子もいるからそうはいかない
ならばと男女別で交代で入ることになった。
『ふぅ いいねぇ温泉は。』
『俺 久しぶりだよ一人で入るの。』
俺は帰りが早いから雅也を風呂に入れる係りでこんなにのんびりと入るのも久しぶりだった。
『京介さんは子供まだ作らないんですか?』
さっきの一悶着が気になっていた独身貴族のタケシが尋ねると
『なかなか上手くいかないもんなの。』
目を閉じて呟いた。
美紀から少し聞いてはいた。璃子ちゃんがそれで悩んでるって。
『でも 羨ましいっす。あんな可愛いお嫁さんもらって好きなときに抱けるなんて。』
『バカ!おまえ何言ってんだよ!』
俺はタケシの頭をバシッと叩くともう一人のツレも
『明日水着着てくれますかね?』
『はぁ?おまえら何考えてんの?京介さんの嫁さんだよ?璃子ちゃんだよ?』
コイツら本当に何考えてんだかわからない。
溜め息混じりにヤツ等を睨むと
『でも 京介さんて勝ち気で綺麗目な女に人気ありますよね。』
また 訳のわからないことを言い出した。
『だって沙希さんも大人の色気ムンムンで京介さんに惚れてますって感じだったじゃん。』
『そうだよな さっきも酔って本音が出ちゃったってところだろ?』
二人に勝手に話をさせてるとどんどん話は膨らんでいく。
けれどその話の内容は否めない。
確かに俺たちも感じていた違和感。それが京介さんへの恋心だとすると辻褄は合う。
『あの…。』
『あ?』
タケシはニヤニヤしながら京介さんに近づくと
『璃子ちゃんの体ってそんなに良いんですか?』
まったくコイツの頭のなかにはそれしかないのか…。
俺は一人溜め息をこぼすと 京介さんは勝ち誇ったように微笑んで
『すげぇ いいから嫁にしたの。』
ザバーンっ!
京介さんは立ち上がると肩にタオルを掛けて浴室をあとにした。
『いつ見てもいい体してるよな。』
『でもさ あの体で抱くんだろ?璃子ちゃん大丈夫か?』
『ホント 壊されなきゃ良いけど。』
長谷川さんも心配するほどの体つき
俺があの体を手に入れたら素晴らしい人生だっただろうな。