テキストサイズ

続・あなたの色に染められて

第5章 サマーバカンス


クククッ…始まった 始まった。

腕を組んで仁王立ちして見下ろす先には俺たちの予想に反して真っ黒な水着を着た璃子ちゃん。

スマホ片手に京介さんが部下の尻拭いに追われているころ俺たちは浜辺にテントを張った。

一段落すると璃子ちゃんは何の躊躇もなく俺たちの目の前でピンク色のパーカーと短パンを脱ぎさって ビーチボール片手に

『ケンタくん行くよ!』

照りつけ始めた太陽の下に走り出した。

絶対に璃子ちゃんはパステルカラーの可愛らしい水着を着ると思っていた。

でも 脱いでみたらビックリ。真っ黒で首の後ろでリボンを結ぶタイプの大人びた水着を着ていて

『あれは反則だろ。』

『あれは反則ですね。』

あの長谷川さんも俺の耳元でポソリと呟いてしまうほどの威力

美紀も 去年出産したのにいい体のラインしてると思うけど それとこれとはまったく違うんだよな。

何て言うんだろう…。

うん。変にエロい。

童顔で小柄なくせに出るとこ出て引っ込むところは引っ込んで

巨乳とまではいかないけど 水着を着ていてもわかるほどの形のいい膨よかな胸元

『直也も一緒にやろうよ!』

高校でバレー部だった美紀と璃子ちゃんと俺たち輪になってボール上げはじめると 弾けた笑顔がまた眩しくて

真っ白な肌は炎天下に晒されればほんのり赤く色づきそれがまた妙に愛らしかった。

でも そんな愉しい時間は長くは続かない。

砂を踏みしめるような足音と共に機嫌の悪そうなダンナさまが歩み寄ってくる。

そりゃそうだよな…。

あのヤキモチ妬きで独占欲丸出しのダンナさまがこんなこと許すはずもない。

無言で璃子ちゃんの腕を掴むと無理矢理引っ張って みんながいるテントの中に連れ込んで

『いいから着ろ。』

わざわざ自分の着ていたTシャツを投げつけて その眩しすぎる体を今すぐに隠せと言う。

けれども璃子ちゃんはこの青い空と潮風香る水面に心踊らせちゃって首を縦には振らない。

髪をかきあげながら大きな溜め息を京介さんがつくと璃子ちゃんはまったく反対の満面の笑みをして

『京介さん!』

一回りも二回りも大きな手を握ると ニッコリと微笑んで

『一緒に泳ぎましょ?』

『うわぁっ!』

その手を勢いよく引っ張って

『危ねぇだろ!』

『キャハハ!』

ヤキモチ妬きのダンナさんと海にダイブした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ