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修練の鏡と精霊の大地

第4章 穴

 コウヤの表情が険しくなった。


「いや……俺はこんな所に出てねぇぞ」


「まさか、道に迷った?」莉子が心配そうに尋ねる。


「違う、道は一本道なんだ。迷うはずは無い。なんだここ?」


 辺りは石や砂、瓦礫等の地で、草木はほとんどない。あちらこちらに、動物らしき骨も転がっていた。


 行く方向が、途絶えた。


 一行は、進む道を見失っていた。


「とにかく、前に進むしか無いと思う。この方向を真っ直ぐ行きましょ」と莉子が向かう目先を指で示した。


 莉子の言う通り、進むしか道はない。


 他の三人も同意した。


 すると、球也が何かを見つけた。


「あ、あれっ!! 人がいますよ!!」


 球也が指差す方を見ると、薄茶色の衣を身にまとった男性らしき人物が歩いていた。


 それを見たコウヤは、フッと笑う。


「あぁ、あれは人に見えるけどちゃんとした動物なんだって。人間の世界で言う猿みたいなもんかな? 怪物でもないし人畜無害だそうだ」


「コウヤさん、詳しいなぁ。どこで聞いたん?」と純化が尋ねる。



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