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修練の鏡と精霊の大地

第4章 穴

「その俺がいた村の人に聞いたんだよ。あれは、身をまもるために、人の形に擬態してんだとさ。ちなみにあれ、食用の家畜が野生化したもんだって」


 三人はそれを聞いて驚いた。


 どう見ても人間に見えるからだ。あれを食するのは勇気がいる。


 球也が間近に行って見てみる。


 遠目では人間に見えるが、目は猫のようで、口には河童のようなくちばしがある。


「ほら、キュウを仲間だと思ってるから逃げないんだよ。だから、簡単に人に捕まる」


「なんでそんなに知ってんのさ」と莉子が聞いた。


「村で俺を勇者として、もてなしてくれたんだよ。その時に同行したらあれを捕まえてさ」


「食った?」莉子はこの話にかなり食い付いていた。


「実は食った。スープとか唐揚げにすると美味いんだよ。捕まえる?」


 莉子と純化は苦い顔をした。拒否している。


 球也が走って戻ってくる。


「あいつ、木の実を分けてくれたよ」


「友達になったか……」とコウヤは笑った。


「あれ、なんて動物なん?」と球也が聞いた。


「たしか……ブチブチ」


 純化と球也は嘔吐した。



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