テキストサイズ

修練の鏡と精霊の大地

第4章 穴

 足がガタガタと震え出す。


「くそ……プロレスの試合と違って怖いじゃねえか」


「コウヤ……私達、死ぬの?」


 莉子も足が震えている。伝説のナイフも持っているが、頼りないおもちゃに感じてくる。


「うち、いややぁ〜、こんな所で死にとうない〜」


 一番後ろで4つの精霊の石を手に、純化がデカイ顔を見上げる。


「なんとかしてキュウを助ける……」


 コウヤは斧を持ったまま走り出した。


<あれは岩顔(がんがん)やな>と草木の精霊、ソーヤが現れた。


「がんがん? あいつどうすんの?」純化は、倒し方が無いか聞いてみた。


<どないしょ?>


「し、知らないの?」


<どうやろ? あいつの口の中に火の精霊を入れたってみたら>


「ええっ……それ、怖くない?」


<でも、やらないかんやろ。まあ、歯茎の裏の皮くらいはベロベロにしよるやろ>


「攻撃ちっちゃ」



 コウヤは走りながら、岩顔の左側に回り込む。


「た……助けてーーっ!! むっちゃ気持ち悪い!!」


 球也は足と腕を掴まれていた。


 岩顔はゆっくりとコウヤを追う。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ