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修練の鏡と精霊の大地

第4章 穴

 勢いよく登場したわりには動きはのろかった。


「そりゃ!!」


 コウヤは斧で切りつける。


 だが、まったく手応えを感じない。巨大な顔には爪でかいた傷程度であろう。


「こんなでけえのどうすんだよ」


 まったく攻略法が見つからない。


「コウヤさーん!!」


 純化の声が聞こえる。


「そんな黄色い声援いいから援護してくれよ!!」


 コウヤは岩顔の視野から外れるように逃げる。


 すると、岩顔のてっぺんから植物のツルの様な物がぶら下がっている


「ん!!」


「それそれ」と純化がそのツルを指差した。


 咄嗟にコウヤはそれを掴む。


「そうか、上に昇れってことだな。精霊に攻撃されたらキュウまでが大変な目にあってしまうからな」


 斧を背中のホルダーに納めると、両手でツルを掴み、一気に登り始めた。



<どう? あれならちょっとやった感あるやろ?>


 そのツルは、ソーヤのアイデアと力による援護だった。


「この緑っ子なかなかやるじゃない」と莉子も絶賛する。


「うちが出来るのなんもないのも悔しいから、もうひとつ考えた」


 純化はそう言うと石の精霊を出した。



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