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修練の鏡と精霊の大地

第4章 穴

 皓皓と太陽の光が広がる。まるで、地底にいるのも忘れてしまうくらいだ。


「すげえ穴が開いてるな。なんなんだろ?」


 コウヤが不思議そうに言った。


「ここになんか埋めようとしたんとちゃうかなぁ? こんなん穴って言うより吹き抜け天井やん」


 純化は大きく手を広げ、グッと背伸びをした。


「……ちょっと待って」と莉子が入り込む。


「ここの上って何がある?」


 莉子は上を示して言った。


「なにがあるって……」


 コウヤは言葉を止めた。


 すると、血相を変えてさっき来た穴を引き返した。


「そこで待ってろ!!」



「ちょっと、どこ行くの!?」


「いいからそこにいろ!!」


 コウヤは土をかき分けて進んで行った。


 そして、精霊が作った岩の坂道を上った。


 穴から出ると、その先には村があった。


 コウヤは結界を抜け、村に入る。100メートルほど進んだ時だった。


「……なんてこった」コウヤは失望の声を洩らした。


 足を止め、コウヤが目にしたのは村ではなかった。


 村を囲む石垣だけを残し、村そのものが消えていたのだ。



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