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修練の鏡と精霊の大地

第4章 穴

 コウヤはその穴の近くまで歩みよる。


 穴を覗くと、はるか下に三人の姿が見えた。



「あ、コウヤさんが覗いてるよ! おーい!!」と球也は手を振る。



 コウヤは何も言わず顔を引っ込めると、そのまま歩いて三人の元に戻った。


 やっと戻って来たコウヤは、しばらく黙りこんでいたが、やがて口を開いた。


 コウヤは話す。


 村がそのまま消えていたことを……。


 コウヤが世話になった村長や、村人達、家も建物も全部消えていたことを……。


「おそらく、あのデカイ顔が村を滅ぼしたんだと思う。推測だが、村にやってきたあいつが根こそぎすべて食らって土に潜ってったんだと……」


 コウヤは無念そうに話した。


 すると草木の精霊ソーヤが出てきた。


<岩顔は、その巨体で、村や町を喰らって滅ぼす怪物なんや>


「え?」


 コウヤは険しい顔つきに変わる。


<あれは常に土の中を移動する。だから、土の中から襲ったんやできっと>



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