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修練の鏡と精霊の大地

第4章 穴

 土をかき分けながら前に進むと、急にしっとりと冷たい空気が顔に触れだした。


 気がつけば土と呼べる様なものはなく、あちらこちらに凸凹した大小の突起物が見られる。


 ソーヤが出した松明に、火の精霊が明かりを灯す。


 足元も険しく、かなりつまずきやすい。


「あのバケモン、こんな所を掘って通ったのか?」


 松明をもって先頭で歩くコウヤが疑問をぶつける。


 もちろん、他の三人が答えられるはずもなく、ソーヤがそれに対する口を出す。


<たぶん……間違えてるね>


「はっ? どういうこと?」コウヤが返す。


<この洞窟は最初からあったもんや。岩の精霊が言うてる>


「こいつが言ってんの?」とコウヤが、懐からネズミ色の石を出した。


<岩顔が通った穴は完全に掘った土で埋まってもうたんやわ。その代わり、元からあったこの洞窟が、進んだ拍子に壁を破壊されて、出てきたんやろなぁ>


「つまり、ここが開いてなかったら行き止まりみたいなもの?」莉子が不安をあおることを口に出した。


<そうなるわな>


 四人は全身に鳥肌を立てた。



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