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修練の鏡と精霊の大地

第4章 穴

<あんたら、キノコだけでようそこまで話が膨らむもんやな>


「キノコの話だけに食える話と、食えない話があるってね……」


 球也が中途半端な間合いで、軽快なスベリを見せた。


 今のは無かったかのように、一同は先に進む。


 岩壁がしっとりと湿り、足場も所々滑りやすくなってきた。


「結構、足に来るな……みんなゆっくり行こう」とコウヤが声をかける。


 明かりはコウヤが持っている松明のみ。


 ここでもし怪物にでも出会すもんなら、手の出しようがない。


 たのむから怪物は出るな……そう、祈らずにはいられない状況だ。


 だが突如、異様な状況を目にした。


 艶やかな氷が、ビッシリと道を塞ぐように張っている。


 それも、かなり分厚い。


「おい、なんだよこれ」


 コウヤが松明で照らす。完全に隙間なく、凍り付いている。


「うわっ!! めんどくせぇ状況に出たぞおい」


 見た限り、奥は2メートルくらいは氷で埋まっているようだ。


「石の精霊に破壊してもらうか?」


 懐から石を出す。が、まったく人型に変わろうとしない。


 エネルギー不足だった。


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