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修練の鏡と精霊の大地

第4章 穴

 コウヤは石を純化に手渡すと、今度は純化が火の精霊を出した。


「炎で溶かしてもらいましょ」


 純化の手のひらに、人型化した火の精霊が立った。


「あの氷の壁を溶かせる?」


 軽く聞いてみた。


 だが、精霊は動こうとはしない。


「どうしたん? 早よう溶かしてえな」


 精霊はプルプルと震えている。


「まさか、あれだけの氷は無理なん?」


 精霊は、小さなその手で、人差し指を立てた。


「あ、やってくれるんや」


 純化は前に出て、精霊をつき出した。


 精霊は指から細かな火の粉を出した。


「え!? ダメじゃない。そんなんじゃ溶けへんで!」


 だが、それは溶けるどころか、とんでもない事態を巻き起こした。


 その火の粉が氷に付着した途端、爆発したかのような炎が一面に広がった。


「うわっ!!」


「キャッ!!」


 前にいたコウヤと純化は強烈な熱さに、後退りする。


「あちっ!! あちっ!! なんで燃えてんだよ!!」


 コウヤは手で顔を被う。


「なんで!?」


 純化も倒れこんでしまった。


<遅かった!>とソーヤが出てきた。



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