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修練の鏡と精霊の大地

第5章 他にも、まだいたかっ!?

 洞窟はある程度の上り下りや広狭の差はあるものの、ほとんど一本道。地下トンネルのようなものだ。


 また、滑りやすくてつまずきやすいという足場の悪さ。


 もし、そこに人物がいたのなら、こんな中を、一瞬に駆け抜けることなんて出来るのだろうか?


 それに明かりも無い真っ暗な闇の中。


 どう突き抜けたというのだろう?


 せめて、助けてくれたお礼のひとつは言いたい。


 それには、まずここから出ることが先決だ。


「とにかく、ここから出て、まずは精霊の大地を目指さなきゃならないんだよな」とコウヤが言う。


「そう言えば、私達の目的ってなんだっけ?」


 莉子の発言は一行の動きを止めた。


「いや、桃尻娘……いまそれを言うか」


 コウヤは、冷ややかな目で莉子を見る。


「僕は覚えてますよ。闇神をしばきにいくんでしょ!!」球也は笑顔で拳を見せる。


「しばくって、関西独特だなお前……」


 コウヤはため息まじりで言った。


 闇神がどこに存在するかもわからず、ただそれぞれがそれぞれの村で漠然と闇神退治に行けと命じられ、偶然その四人が集まった。


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