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修練の鏡と精霊の大地

第5章 他にも、まだいたかっ!?

「あんた、なにしてるん?」と純化が尋ねる。


 球也は今しがた拾い集めてたものを、見せた。


 球也の手のひらには、緑色やら、茶色の木の実や種子のようなものがいくつもあった。


「持って帰って、育てれるかどうか試したいねん」


「えぇ〜、それ無理ちゃう? 生態が違うさかいに難しいよ」


「う〜ん、それと、この世界にしか無いもんやったら記念になるし」


 球也は笑顔で言った。高校生は、大人に移り変わりながらも、子供のような一面も垣間見える年頃。


 純化は思わず「かわいいな」と目を細めた。


<でも、拾うんやったらうちに一度見せや>


 ソーヤが純化の肩に飛び乗ると、球也に向かってそう言った。


「え? なんで?」


<ここの世界と、あんたらの世界とは土も空気も違うんや。唯一、一緒なんは空とお日さんだけや。だから、あんたらの世界に合う物をみたるし、毒物とか怪物になるのもおるし、そんなんも見定めなアカンやろ>


 ソーヤの言うことももっともだ。さすが、草木の精霊。


「じゃあ、この中のもん、品定め頼むわ」と球也は布袋を差し出した。


<むっちゃ採ってるやん……>



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