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修練の鏡と精霊の大地

第5章 他にも、まだいたかっ!?

「ちょっと、ほんならそれ、大変なやつやん。きゅう坊!! 早くそれ始末してえや」


 純化が急かし出す。


 コウヤと莉子は、かなり前に行って進んでしまっている。


「待って待って、ちょっと……」


 球也は後ろを振り向いて、力一杯遠投した。


 だが、慌てて投げたのかコントロールが乱れ、手前にあった木にぶち当たり、球也の足元に落ちてきた。


<うわわわわ、アカン、早よう逃げな……>


 純化と球也は走るように進む。だが、足場は石や根っ子が乱雑に入り組む悪地。


 思うように走れない。


 やがて、その木の実から黄緑色の触手がいくつも飛び出してくる。殻から産まれ出た生き物のように、うねうねとうごめきながらそれは急激に成長する。


 まるで、その姿はクラゲのようだ。


<うわわわわわ、出た出た出た出た出たぁーー!!>


 ソーヤの慌て方が普通ではなかった。


「あいつ、怪物なんやろ!? 倒せるんちゃうん?」


 球也は急ぎ足で前進するが、悪状況な足場の中では思うように進まない。


<あいつ、強いで! 火を使ったらええんやけど、こんな所で火を使ったら火の回りが早いから自分らも焼けてまう>



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