テキストサイズ

修練の鏡と精霊の大地

第5章 他にも、まだいたかっ!?

「おーい、後ろで何を騒いでるんだ?」とコウヤが振り向いて、声をかける。


「逃げて下さい! 怪物ですよ怪物!」と球也が息を切らしながら、そう伝える。


「怪物?」


 見ると、純化と球也の背後から、緑色のクラゲのような怪物が迫って来ている。


「うわっ!! キモッ!!」


 莉子が思わず尻込みする。


「なんだありゃ? また燃えやすそうなやつだな」とコウヤは遠目からそう言った。


「また燃えるつもりじゃないでしょうねぇ」


「もうそれは懲りた。とりあえずやっつけなきゃな」


 コウヤは斧を手に取った。


 だが、近付くにつれ、その怪物の大きさが異常なことに気が付く。


 怪物は移動しながら近くにいる虫や小動物を片っ端から食し、素早く体内に吸収する。秒速で急成長を遂げる怪物だった。


「うわぁっ!! アカン、追い付かれる……」


 球也の足が失速してくる。


「うわぁーーりゃーーっ!!」



 純化の雄叫びが聞こえた。


「はっ、純化さん!!」


 球也は立ち止まって振り向いた。


「えっ!?」


 球也は目を丸くした。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ