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修練の鏡と精霊の大地

第5章 他にも、まだいたかっ!?

「ちょっと……なによあのバケモノ……」


 莉子も思わずのけぞってしまう。


 球也も震え出してきた。


「ど……ど、どうしましょう……オシッコでもひっかけてやりますか!?」


「肥料与えてる場合かよ! でも、途中まで、向かっていくしかねえだろ……でなきゃ、あの娘一人じゃヤバいぜ……精霊の力じゃなんともならないのか?」


「精霊は全部、純化さんが持ってます」


「クソッ!! このままだと潰されてしまうぞ」


 コウヤは向かって行きたくとも、足がなかなか動かない。


「クソッ!! なんでビビってんだよ……こんなんじゃ闇神なんか倒せねえよ」


 純化は石の精霊を出して応戦していたが、まだ精霊の力が戻らないのか、小石を投げる程度の力しか出ない。


「ちょっとぉ〜、助けてよぉ……足が動かないよぉ〜」


 純化は泣きじゃくっている。


 コウヤと球也の二人が、なんとか、純化の元にやってきた。


「なにしてんだよ!! 早く逃げろ!!」


「あわやわぁぁ〜、こぉわぁやさぁぁ〜ん〜」


 コウヤの声で安心したのか、よけいに泣き叫ぶ。


「早く! あのバケモノが……」


 球也は純化の手を引っ張りながら走らそうとした。


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