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修練の鏡と精霊の大地

第1章 黄昏時に出会して……

 どうせまた手品だろ……あの手には発光ダイオードみたいなのがあって、特殊メイクかなんかで掌の中に隠してあるに違いない。球也はヤレヤレといった様子で眺めていた。


 タクノアンは目を閉じて、ブツブツと何かを唱えはじめた。


「ヤイコテデラカエエモデンナ ラカルトレワモオトヤソウ」


 すると、手をかざした草から、ホアッと緑色の霧の様な物が噴き出した。


 徐々にその霧はひとつに固まり、20センチほどの人型に形成されていく。


「嘘っ!!」


 球也は腰を屈め、その様子をジッと見据える。


「ナイカンモナンコ、シヨ!!」


 タクノアンがその人型を両手に乗せた。


「見るがよい、これが精霊じゃ」


 タクノアンの手のひらには20センチ程の、緑色の草を体にまとった少女の様な姿の人型が立っている。


「……」


 球也は、ただポカンと見ているだけだった。


「ここで言う、草木の精霊じゃ。お前さん、これでわかったかね?」


 タクノアンは得意気な顔付きで、鼻を鳴らす。


「ねぇ……タクアンさん」


「タクノアンじゃ」


「これ、飼ってもいい?」


「ペットじゃねえ」



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