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修練の鏡と精霊の大地

第5章 他にも、まだいたかっ!?

 コウヤには成す術が無かった。


 すでに、その怪物の大きさは30メートルにも達している。そんなモンスター相手に何が出来ようか?


「あんなの、戦隊ヒーローのようなロボットが必要だぜ……なんてこった」


 地面に腰をつけたままの莉子を必死に起こそうとする球也。


 莉子は恐怖のあまりに顔をクチャクチャにして泣き出した。


「怖いぃぃぃーーっ!! 動けないぃぃ……助けてぇ!!」


「莉子さん! でも、逃げないとやられますって!!」


「もう、キュウだけでも逃げて! 私はいいから……ああああ、でも、死にたくないぃぃぃ」


「そんなっ!! 思いきって死……」


「なに?」


「いやいやいや、思いきって死ぬ気でやってやる!」


 球也は剣を抜いた。


 やられるより、やってやる。


 こんな超巨木のようなクラゲモンスターに無条件で食われてたまるか!






 思っただけだ。


 やっぱり怖い。


 どうすればいい?


 このままでは二人とも、危険を越えた世界に飛んでしまう。


 だが、その時だった。


「おーい、君たち」


「ん?」



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