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修練の鏡と精霊の大地

第6章 新メンバー

 コウヤはそう言って、先頭に立って歩き出した。


 コウヤだけは、いつなんどきも緊張の連続だった。どこに何があるかわからないし、村が壊滅している恐れもある。そのため、村が見えても、安らぎの言葉は期待できなかった。


 ようやく村の全貌が明らかになるとき……。



『シュビーーン!!』



 何かが飛び弾けるような、風の音がした。


 音がした方向に目を向ける。


「なにっ!?」


 そこには人間のような姿のものが、頭に矢が刺さったままヨタヨタと歩いていた。


「あれ? ブチブチとちゃう?」と球也が指を差した。


 ブチブチ、人間の姿に擬態する村の食用とされる生物だ。


「あ、じゃあ、あれは食べれるよね」と莉子が言った。


 すると、奈美が四人の前に立ち、メモ帳を示した。


[あれはオニブチブチ。全身に毒があって、人をおそう怪物。きけん]


「えっ!? うそ!?」


 コウヤが目を疑る。


 奈美はさらにペンを走らせた。


[目が赤くて大きいのがとくちょう]


「えぇっ!! じゃ、奈美ちゃん、すぐに見抜いて矢を放ったん!?」


 純化は奈美の持っている弓を示した。



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