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修練の鏡と精霊の大地

第6章 新メンバー

 奈美は布巾でホワイトボードを拭い、またペンを走らせた。


 今度は少し長文なのだろうか? 書き終えるまで時間がかかる。


 四人は奈美のペンが止まるのをジッと待っていた。


 やっと書き終えたのか、ふぅ〜っと息を吐き、ゆっくりペンを置いた。


 縦向きに細かい字で、ビッシリと書かれたホワイトボードを、四人に見せた。


[あのゆうきって人、キライ。宿にいくと、私だけ別に一人だけで部屋をとらされた。子供は入って来てはいけないとのけ者にされた。だから、私も戦いには参加せず、ついていくだけだった。ないがしろにされて、危なくなっても助けてくれなかった]


 奈美はボードを見せると、悲しそうな表情を見せてうつむいた。


「そうだよ……今日、木の怪物に追われてるとき、奈美ちゃんだけ木に登ってなかったもん」


 球也は思い出しながら言った。


 奈美は上の部分だけを消して、こう書いた。


[私、木に登るなんて聞かされなかった。]


「あいつ……」


 コウヤが拳を握り締めた。


「口の利けない14歳の女の子を見捨てるなんて……」



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