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修練の鏡と精霊の大地

第7章 小さな戦士の村

 振り向けば、見た目40代に見えるアジア系の美しい女性が小走りでやってきた。


「あれ、誰です?」


 球也が指を差して示すが、みんな頭を傾げる。


「俺、昨日あんな女を抱いたかなぁ?」


 コウヤは笑いながら冗談を口にしたが、女性三人からは軽蔑の眼差しと疑いのまなこを飛ばされていた。


 女性は息を整えてから、こう告げた。


「あなた達、精霊の大地に行くなら、この村を出てから左に進めばいいわ。あの男性もその方向に進んでるはず」


「左……ですか?」コウヤが聞き返す。


「そう、途中に小人ばかりの村があるの。ポックルの村って言うの」


 女性はその方向を指差して言った。


「わかった、ありがとう。で、あなたはどなた?」とコウヤは尋ねた。


 女性はしばらく黙りこくった。


 そして、自分の顔を恐る恐る撫でてみた。


「あっ!! いけない、お化粧してなかったわ」


 女性は慌てて後ろを向き、なにやらうつむいて、ごそごそと顔になにかを施していた。


 1分後、見事な早さで石膏のような微笑みマスクが完成。


 振り向いたその顔は、食堂の超厚化粧のおばさんだった。


「あぁっ!! あなただったんですね……素顔の方がとてもお美しいのに……」


 コウヤの態度が変わった。



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