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修練の鏡と精霊の大地

第7章 小さな戦士の村

 談笑しながら、足を進める。


 青空の下、爽やかな朝の風に吹かれ、草花が揺れる静かな道を怪物らしい怪物も出てこないまま、30分ほど歩いた。


 すると、遠くに村の石垣のようなものが見えてきた。


「あ、あれ、村じゃないですか?」


 球也が指差して言った。


「あ、ほんとだ。でも、けっこう距離あるわね」


 莉子は少し疲れたようだ。昨日がかなり過酷だったのか、睡眠をとってもしっかり朝食を食べても、疲れがとれていなかった。


 おそらく年齢のせいだ。


「あと、ひと踏ん張りですよ。いきましょ」


 球也が莉子の背中を押した。


 少し歩くにつれ、村に近付く。




 いや、村が近付いてくるようだ。


 1分ほどで村についた。


 だが、その村は……かなり小さかった。


「ウソだろ……小さかったから遠くにあるように見えたんだ」と呆然と村を眺めながら、コウヤは言った。


 石垣の高さは球也の身長168cmほど。


 2階建ての建物は2メートルほどしかないのだ。



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