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修練の鏡と精霊の大地

第7章 小さな戦士の村

 コウヤはワードフの目先に、人差し指を突き付けた。


 すると、周りの家からワラワラとたくさんの小人が現れた。


「ごちゃごちゃ言わずに闘えよ!!」


「話し合いだけで終わって逃げていくんなら、入ってくるな!!」


「お前ら、ただデカイだけだろっ!!」


 なんと、村人が一斉に挑発をしかけてきた。


「なんだよこいつら……」コウヤは周りを見回した。


「ねぇ、コウヤ……この村、なんか変だよね」と莉子が耳元で言った。


 いつの間にか、たくさんの村人に囲まれていた。


「うわっ!! なんなんこれ」球也は顔をひきつらせコウヤに近付いた。


 奈美も純化もピッタリとくっついている。


 すると、精霊のソーヤが顔を出した。


<アカン、こいつら小人やけど、むっちゃ血の気の多い戦闘種族なんや。ポポは常に闘いに飢えとる。種族同士の結束は固く、命懸けで守りにきよる>


「なんだよこれ……つまり、闘わなきゃおさまらないのか?」


 コウヤが苦い表情で言った。


<なんでもええから相手してやんなはれ。あんさん、プロレスラーでっしゃろ>


 ソーヤはそれだけを言うと、引っ込んで石に戻ってしまった。



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