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　そう言うと、コウヤはユングを抱えたまま盾として、正面からトゲトゲのロープに押し当てた。


「うわっ、や、やめろ!!」


『パパパパパーーン!!』


　破裂音と共に、強烈な勢いで種が飛ぶ。


　正面からトゲを受け、種を浴びたユングは衝撃のあまり、気を失ってしまった。


「おい、それだけのことで気絶してんじゃねえ。次もてめえが試合するんだろ」


　気を失ったユングをもう一度抱え上げると、今度は背中からトゲトゲのロープに押し当てた。


『パパパパパーーン!!』


　再び大きな破裂音が響く。


　コウヤはマットの上にユングを投げ捨てた。


　球也と莉子、純化、奈美に戦慄が走った。


　コウヤは言った。


「お前達が用意した仕掛けだろ。言ったはずだ。怪我をしない程度に勝敗をつけようとな。なのに、なんだこれは。１発で気を失うようなもん取り付けやがってよ……」


　すると、ユングの次に出る女戦士サイがリングに上がった。


「ならば、あたしがやってやる。あんた、かかってきな」


　コウヤは笑った。


「さっきのやつの技は凄かった。体全体でぶつかってきたからなぁ……俺が鍛えた人間じゃなかったら、あっという間に気絶してるよ」