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修練の鏡と精霊の大地

第7章 小さな戦士の村

「あいつのスタミナが半端じゃねぇ……」


 コウヤが項垂れながら、負けた言い訳をしていた。


「試合する前は格好いいこと言ってて、結局本職のプロレスで負けてどうすんの!?」


 莉子は呆れて肩を落として言った。


「でも、俺は負けても嬉しい。小さいのがデカイのに勝ったんだ。俺だってやってやるって気持ちが強くなったからな」


 コウヤは満足気な笑みを浮かべた。今の自分と小人のファイター達と照らし合わせるように見て、拳を交えたすえの感想だった。


「うちらどうなるか思てドキドキしたわぁ。でも、見てて気持ちええ試合やったわ」と純化もコウヤの試合に絶賛した。


 奈美もメモ帳に[よかった。すごかった]と書き綴っていた。


 その傍へ、ワードフがフラフラになって歩み寄ってきた。


「さすがです……私は実力より、運で勝てたようなもんです」


 かなりボロボロだった。油成分の多いワードフの汗で、コウヤがすべり頭を打たなければ、ワードフは勝てなかった。


「いや、運も実力だ。強かったよ」


 二人はガッシリと握手をかわした。



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