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修練の鏡と精霊の大地

第8章 カビと巨人

「てか、そのワラワラって、どんなやつなんだよ」とコウヤが聞いた。


 ユングは少し考えてから両手を広げた。


「大きさは、まあまあの大きさでしたね」


「てか、お前さんの体積で表現されても、大きさにリアリティーがないわな」


 ちなみにユングの身長は125センチ。


「体のことは言わないでくださいよ。一生懸命手を広げて言ったんですよ」


 ユングは頬を膨らまし、口を尖らせてすねてしまった。


「あのさ、そんな刺青入った体で、かわいくすねられても『キャッ! カワイー』にはならないから」とコウヤが指摘すると、莉子が突然ユングに抱き付いた。


「かわいいぃーー」


「や、やめてください、おばさん臭がぁぁ」


 ぬかるみの多い湿地でふざけあってるその時、辺りの空気が一変した。


「!!」


 先に異変に気が付いたのは奈美だった。


 鼻をヒクヒクさせ、弓を手にした。


 精霊のソーヤも、なにやら奇妙な空気を感じ取っていた。


<おるでおるでぇ〜、なんかザワザワしてきたわぁ〜>


 純化の肩の上で身を縮める。



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