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修練の鏡と精霊の大地

第8章 カビと巨人

「ねぇ、あんたワラワラって知ってるん?」


 純化が質問を投げ掛けると、ソーヤは小さな手を横に振った。


<名前は知ってるけど、どんなんかは知らない。せやけど、ごっつい病原菌を持ってるって話やで>


「私も一度しか見たことないですから……無理に倒さずに逃げた方が無難です」ユングはそう言って、小さな体をより低くして、辺りを警戒した。


 どこかにいる。それも、すぐ近くに……。


 わかってはいるが、敵の姿が見えない。


 すると、純化がもうひとつの異変に気が付いた。


「ねぇ、ここ……なんかホコリっぽくない?」


「えっ!?」


 みんな純化に目を向けた。


 よく見ると、純化の足下にだけ白い粉のようなものがまとわりついている。


「えっ!? なんでうちの周りだけ?」


 純化はその粉に手を触れてみた。


「あっ!! ダメだそれ!!」


 ユングが強く止めた。


「えっ!? ユング、これってなんなん?」


 純化は指に付いた粉を示した。


「早く、指を洗って! 大変だから!」


 ユングは急かすように指を洗い流すよう促す。



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