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修練の鏡と精霊の大地

第8章 カビと巨人

『グルオヮーーーッ!!』


 苦しみの雄叫びを上げるワラワラ。


 真っ白だった体が焼け焦げて、茶色く変色する。


 純化は声も出さず熱さに耐えていた。長い髪は焼け、辺り一面に毛の焼けた匂いが広がる。


「キュウ!! 来い!!」


 コウヤは球也に呼びかけ、走り出した。


「桃尻、よくやった」


 ポンと肩を叩くと、莉子は焼けるワラワラを見ながら泣きじゃくっていた。


「純化!! 手を出せ!!」


 コウヤが叫ぶと燃え上がる炎の中から、ゆっくりと2本の手が伸びた。


「キュウーっ!! 手を掴んで引っ張れぇーっ!!」


「ハイッ!!」


 二人は純化の腕を掴んだ。


 部分部分が炭化し、血がにじみ出ている。


 コウヤと球也は、一気に炎の中から純化を引っ張り上げた。


 崩れ落ちるワラワラの塊から、純化の体が引っ張り出された。


 髪は焼けて短くなり、服もボロボロになっていた。


 コウヤは純化を抱きかかえると、離れた場所に寝かせた。


 奈美が心配そうに走り寄ってくる。


「奈美は、薬持ってるか?」


 コウヤは尋ねるが、奈美は首を横に振る。


 奈美は、暗黒の釈迦を退治するための目的を仕えるために旅をし、バンタリンにも会っていないため、そんないいものは持ってない。



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