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修練の鏡と精霊の大地

第8章 カビと巨人

 ユングも、球也達とは違った目的の旅を押し付けられているため、奈美と同様、バンタリンにも会ってなければ、薬も手に入れてはいない。


「えぇ〜、このゲームって生身のオンラインだけで、ボスキャラが違うと、何もかも違うんやぁ」


「キュウ……これはゲームじゃないから……てか、お前、ゲームだと思ってたのか?」


「コウヤさん、この旅よりも、ゲームのRPGの方が難しいですよ」


「何を訳のわからんことを……てか、薬!! 桃尻!! お前、医療班だろ!!」


 コウヤが莉子を呼んだが、莉子はなぜか、燃え盛るワラワラと泣きながら闘っていた。


「お前なぁっ!! 俺のこととやかく言えねぇだろが!!」


 コウヤはイライラしながら駆け出した。


 そして、燃えるワラワラに対し、力強いドロップキックを見舞った。


 燃えているワラワラには病原菌はいない。本能的にそれを感じ取った。


 コウヤは莉子を連れ戻すと、純化の前に座らせた。


「いま、こんな状態だ。早く薬を飲まさないと死んでしまう。薬を飲ませてやってくれ」



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