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修練の鏡と精霊の大地

第8章 カビと巨人

「ねぇ……純化は助かるの?」と莉子が尋ねる。


「残念ながら特効薬が切れてしまい、今は皆さんにお渡しした薬と同じ物を投与して、病気の進行を抑えるしかございません」


「あっ!! その薬ってもしかして……」球也が言いかけた。


「はい、原料はあのワラワラなんです」


「あ……はずしたか……」


 球也は何を言いたかったのだろう?


 それに関しては誰も聞こうとしないし、本人も口を開こうとしなかった。


「材料がワラワラって……だからやつが燃えている時、残念がってたんだな」とコウヤが言った。


「そうなんです。生きたままの体の一部を採取して細かく砕いたのち、アビラの水で溶いて固めるのです」


「アビラの水?」球也が頭を傾げる。


「はい……それがワラワラよりも入手が困難でして……」


 ペタロはそう言って立ち上がると、机の引き出しから地図を取り出して広げた。


「ここから、約5キロ離れた所に塔があるんです」


 一同は一斉に地図を見る。


「この塔の最上階に、自然に出来た水溜まりがあるんです。その水がアビラの水です」



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