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修練の鏡と精霊の大地

第8章 カビと巨人

「それって、ただの雨水とかじゃないの?」と莉子が問う。


「素は雨水です。ですが、最上階にある神殿を通って染み渡る水でして、まったく成分が異なる水となるわけです」


 コウヤが腕組みをしてこう言った。


「簡単に言えば、塔の中に出る湧水ってところか?」


「そうですね……ですが、今までは塔の管理者が持って来てくれたんですが、先日、怪物にやられまして……」


 一同は思った。このパターンは材料を集めて来いという試練だと……。


「わかった。じゃ、我々がそれらを集めてくるから純化を頼む」


 コウヤがそう言って立ち上がる。


「お待ち下さい」とペタロが声をかけた。


「塔には私が行きます。中は迷路のように入り組んでいたり、いろんな仕掛けがあったりしますので、道や攻略法を知っている私が行った方がいいかと」


「なるほど……じゃ、万が一に備えて、球也と奈美を一緒に行かせます。いいかな?」


 コウヤがそう言うと、ペタロは笑顔を見せた。


「ちょっと待って」と球也が呼び掛ける。


「ペタロさんがいなければ、純化さんの容態を見ている人がいません。だから、僕と奈美ちゃんで塔に行けませんか?」


 ペタロは表情を変えた。


「しかし……あそこは慣れてないと危険ですよ。祠に近寄れないようにと、怪物がいたり罠が仕掛けてあったり……」



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