テキストサイズ

修練の鏡と精霊の大地

第8章 カビと巨人

 コウヤ、莉子、ユングの三人はペタロにワラワラの採取方を教わっていた。


「行くときは完全防備で。かなりキツい感染性を持っていますので、素肌はさらさないで下さい。人型になってないものなら地に付着しているものを、削れば問題ありません」


 ペタロの教えにより、三人は体に沢山のボロ切れを巻いた。



 採取するために必要な、ビーカーのような器も借りた。


「そう言えばペタロさんは、さっき何しに出ていたんだ?」とコウヤが尋ねる。


「実はワラワラの感染による病気が増えてるんです。ワラワラは数が非常に少ない生物で、材料も採取できないんです。私が見たところ、種の生存は片手の指の数にも満たないのではないかと」


「そんな少ないの!?」莉子が驚いた。


「はい、しかもワラワラの体の組織はアビラの水と調和させると、逆に毒素が消えて特効作用の強い薬が出来上がります。あなた方が持っている薬はアビラの水とゲラゲラと言う生物の組織で出来てるんですよ」


「ゲラゲラ!?」莉子はさらに驚く。


「だから、ワラワラは細菌による病気に強い薬ができる成分を持っている反面、生物そのものは最強の感染菌なんです」


「ゲラゲラは?」


「大変危険な生物で近寄ると体がズタズタになるんですが、石を投げると弱くなります」


「見てみたいなそれ……」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ