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修練の鏡と精霊の大地

第2章 物語の扉

 毎日毎回、自分に対して怒鳴るか愚痴るか、いつまでもエラーの事を引っ張り出しては、ごちゃごちゃとうるさい。


 自分が調子悪いのは、親父の所為なんじゃねぇか?


 ついつい、そう思ってしまう。


「いいか、球也……お前は必ずタイガースに入るんや! 今のお前なら、ドラフト指名間違いないで!!」


 そんな夢みたいなことが、簡単に起こるかっての。世の中で野球やってるやつはみんな思ってるよ……と思いっきり、言いたかった。


「ほんまやわ、プロ野球選手になって稼いで、母さんらを楽にさせてほしいわ。お父さんの給料だけじゃ、やってかれへんし、家のローンもいつになったら終わるのか……」


 雛恵は肩を落としながら、ため息まじりでそう言った。


「おい、俺かて一生懸命やっとるやないか!! なんやその言い草は!!」


 球蔵がテーブルを叩くと、数ミリほどビールが揺れる。


「あんたが大学で野球してた時やった。俺は必ずプロ野球に行くぅって言うてたから、付きおうたんよ。で、社会人になって社会人野球からプロになるって言うて、肩を壊して……せめて球也に夢たくさな……」



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