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修練の鏡と精霊の大地

第8章 カビと巨人

「……ここは?」


 純化は体を起こそうとするが、ズンと体が重くなり息苦しくなる。


「あ、ダメですよ、ゆっくり横になってて下さい」


 ペタロが純化の体を支え、ゆっくりと寝かせる。


「きゅう坊……莉子さん……コウヤさん……奈美ちゃんにユング!? みんな、どこ?」


 寝たまま辺りを見るが、そこにはペタロしかいない。


「仲間の方は、みんな薬の材料を集めるために出ていかれましたよ」


「くすり?」


「あなたはいまワラワラの菌にやられています。特効薬を切らしてまして、薬を作ってあなたを助けるために、みんな外に出てます」


 ペタロは木製のカップに飲み物を入れ、ワラの管をストローのように入れた。


「安心して下さい。ここは村の生命修復所……あ、クリニックです」


 ペタロはそう言うと、純化の口元に飲み物を近付けた。


「これは干した薬草を煎じたお茶です。少し楽になりますよ」


「ここは病院?」


「そうです。ただ、あなた方の世界のように設備は少ないんですが……」


 純化はワラのストローに口をつけ、薬草のお茶を吸い上げた。


「あちあちあちあちっ!! 熱いっ!!」


 ストローで熱いお茶を飲むと、むっちゃ熱い。



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