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修練の鏡と精霊の大地

第8章 カビと巨人

「地震?」莉子が辺りを見渡す。


 辺りには揺れているものはない。だが、地鳴りだけが大きく鳴り響いていた。


「揺れてる感じがないな。きっと噴火かも」とユングが言うと、コウヤが軽く頭を傾げる。


「噴火って、山なんか見当たらないぜ。ここまで激しくなるものか?」


「こんな地鳴りは初めてですね」


 だが、異変は突如三人を襲った。


『ドゴォーーーン!!!!』


 激しい暴発音と共に地面が盛り上がり、火花が噴き上がった。


 その音は反対方向にいる、球也と奈美の耳にも届いていた。


「なんか、凄い音がしたな……」


 球也が言うと、奈美が遠くを指差した。


 見ると遠くに、赤く色づく火の粉が上がっている。


「わ、すごい。この世界にも花火があるんだなぁ」


 二人は別世界で別の物を見て、夏を感じていた。


 だが、この三人はそんな悠長に、季節の風物詩を心に残している場合ではなかった。


 目の前には体調10メートルもあろうかと思われる、全身に炎をまとった巨人が現れた。


「うわぁっ!! なんだよこの見た目から熱苦しいやつわ!!」


 コウヤはそう言って思わず後退りする。



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