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　すると、ユングが二人の前に立った。


「莉子さん!!　コウヤさん!!　ここは俺に任せて早く行って下さい!!」


「アホかーっ!!　お前、体長とシチュエーションを考えて物言えっ!!」


　ユングの身長は１２５センチ。


　コウヤが怒鳴るのも無理はない。


「俺はねぇ、巨大な体で上から見下ろされると腹が立つんですよ」


「てか、さっきまでずっと俺達に見下ろされてたじゃないか。そりゃ、体格問題だしどうしょうもないぜ……てか、逃げなきゃ」コウヤはユングを腕を引いた。


　ユングが下からコウヤの目を睨み付ける。


「コウヤさん、あんたらしくないなぁ。俺はこいつと闘う気満々なんだ。あんた俺よりでかいくせに、なんで逃げ腰なんだ……プロレスラーってそんなもんか」


　ユングは巨人を見上げた。


　コウヤはグッと唇を噛み締めた。


　そして……ユングの背中を足蹴にして前に倒した。


「お前さぁ、まず俺を倒してからでかい口叩けよ」


「すいません、仲間割れはやめましょう」