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修練の鏡と精霊の大地

第8章 カビと巨人

 コウヤは炎の巨人を指差した。


「まず、俺の体格にしても、やつと闘える大きさじゃねえだろ。それに、相手は燃え上がってんだ。丸焼き覚悟で向かっても勝ち目ないだろ」


 それを聞いていた莉子は、お前がよく言えたなと言わんばかりの視線を送った。


 炎の巨人は雄叫びを上げながら、村がある方向に向かって行った。


 近付くにつれ、灼熱が迫る


「あつっ!! なんだこれ、あの地下の燃えるゼラチンよりも熱い!!」


 コウヤはたじろいだ。


 莉子が前に出た。


「待って……でも、あいつを始末しないと大変じゃない。村には純化とお医者さんがいるのよ。しかも、もしそこにワラワラがいたら……」


 そう、このままだと生きたワラワラの細胞を採取できず、灰にされてしまう。


「て、ことは……我々には肉弾戦しかないでしょ」


 ユングはそう言うと、炎の巨人に向かって走り出した。


「おい、ユング、よせっ!! お前が適う相手じゃねぇだろ!!」


「ユング!! やめてっ!!」


 コウヤと莉子が止めに入るが、ユングはサイを持って突進していく。



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