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修練の鏡と精霊の大地

第8章 カビと巨人

「おーい!! こら、そこのでかいの!! お前の相手は向こうにはいないよ!! こっちを見ろ!!」



 ユングは両手を大きく振って、炎の巨人に呼び掛けた。


 巨人はユングの方を向いた。


「莉子さん、コウヤさん、行って下さい。俺には考えがあるんだ!! きっと、この巨人を倒してみせます」


 ユングは自信ありげに、そう言った。


「あいつ、なんかいい方法があるんだろうか?」


 コウヤが心配した。


「て言うか、無理だよ。水の精霊がここにあるから、これで闘おうよ」と莉子が精霊の石を出して言った。


「いや……あの巨人の相手はユングに任せよう」


「どうして!?」


「あいつ……なんかやりそうな気がする」


 コウヤはそう言って大きく手を振った。


「じゃ、そいつはお前に任せた! 俺達はワラワラを仕留めてくるぜ!!」


 ユングはコウヤの声援に親指を突き立てて応えた。


「任せろ」と言う意味だ。


 ユングは炎の巨人に手招きをする。


「さぁ、こっちだ。てめえとケンカしてやるよ」



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