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修練の鏡と精霊の大地

第8章 カビと巨人

「3キロ!?」


 グラウンド3キロ走るのと、足場の悪い自然の道を3キロ進むのと、同じ3キロだと、どちらが辛いだろう。


 たくさん歩いたつもりが、まだ半分も進んでいない。


 球也は肩を落とした。


<まあまあ、そないに気を落としな。疲れんと行く方法がおまっせ>


 ソーヤは人差し指を立てて言った。


「えっ? また、ええ加減なこと言うんとちゃうか?」


<ええ加減なこと言うたことないで! まあ、うちを信じなはれ>


 そう言って、ソーヤはパワーリーフを2枚出した。


 球也はそれを見て言った。


「これって、力強なるやつちゃうん!?」


<これは強なるだけちゃうで!! 足も早くなんねん>


「はぁっ!?」


 球也は葉っぱを受け取り、1枚奈美に渡した。


<これは、今までのやつより、はるかにパワーアップしとるやっちゃ。力だけやない。すべての体の働きがパワーアップすんねん。だから、これ食べてちょっと走ったら最強やで>


「聞いたか奈美ちゃん、ええ話やで!!」


 奈美は笑顔で頷いた。


 二人はさっそく葉っぱを口に入れ食べ始めた。



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