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修練の鏡と精霊の大地

第8章 カビと巨人

 体から沸々と力がみなぎる。


 それだけでなく、体も軽やかだ。


「よっしゃ! これやったら早いで!!」


 球也と奈美は軽く準備運動をすると「イチ、ニのサーン!!」で走り出した。


 その早さは100メートルをわずか6秒で走る。



 そして……




 青空の塔に到着。


 二人は大の字になって倒れていた。


「ゼェ、ゼェ、ゼェ……ソーヤァッ!! 早いけど、ものごっつしんどいがなっ!!」


 足が早くなるだけで、スタミナはそのままだった。



 二人はこうして、なんとか青空の塔にたどり着いた。ただ、しばらくは、動けなかった。





 炎の巨人を相手に真逆の身長のユングは、巨人との距離をはかりながらあるものを探していた。


「くそ……かんじんな時に見つからねぇ」


 辺りをキョロキョロと見回しながら、巨人を誘き寄せる。


 炎の巨人は雄叫びを上げ、地響きをたてながらユングを追いかける。


 だが、歩幅の小さいユングは瞬く間に追い付かれる。


 そうすると、すぐさま巨人の横に回り、すぐ方向を変える。




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