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修練の鏡と精霊の大地

第9章 病

「おい!! なにをやってる!!」


 ペタロの声だ。


 押し合いながら、無理矢理に入ってきた。


「純化さんっ!!」


 フラフラになって歩こうとする純化を、抱きかかえた。


「おいっ!! ペタロ!! お前も感染しているんだろ!! なにをしている!! 薬がないなら貴様も追い出すぞ!!」


 村人はペタロを脅しにかかった。


「うるさいっ!! いま、彼女の仲間が、薬の材料を集めに行ってくれてるんだ!! それまでの間ならいいだろう!! 彼女を無理に立たせたら、病気の進行が早くなるぞ!!」


 ペタロは純化を抱きしめて言った。


「それまでに、我々、村人の命はどうだっていいとでも言うのか!? 人間と妖精では体が違うんだぜ!!」


「感染しても、命の重さは人間も妖精も同じだ。同じ命なら、私はそれを救う権利がある。邪魔をしないでもらいたい」


 ペタロを純化の体をジッと支えながら言った。


「ペタロさん……早くうちから離れんと、よけいにひどなる」


 純化は自ら離れようとした。


 だが、ペタロは純化の体を支え続けた。



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