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修練の鏡と精霊の大地

第10章 老人と塔

「3ヶ月……あんた、何を目的にここに来た?」とユングが聞いた。


「ま、わしの目的はどうでもいい。さっきからこのワラワラが、お前達に礼を言いたいらしい」


「ワラワラが?」


 コウヤはワラワラをジッと見た。


 片腕が無いことから、コウヤ達が会ったワラワラに違いない。


「おい、本当に大丈夫なんだろうなっ!?」


 病原菌は無いと言われても、コウヤにしてみれば半信半疑だった。


「だから言うとるだろ。こいつから飛ぶ粒子は、人間には効かないと。それなら、さっきからずっと語らっているわしはどうなる」


 淀屋橋の名乗る男性は、シャンと背筋を伸ばし、なんともないぞと言うのをアピールした。


 コウヤとユングは顔を見合わせた。


「じゃ、このワラワラは、俺達になんのお礼が言いたいって言うんだよ……」


 ユングが人差し指を突き付けながら言うと、ワラワラはノソノソと歩み寄ってきた。


〈いや、先ほどは天敵である、炎の魔人を倒していただいたと言うので……〉


「お前しゃべれるんかい!!」



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