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修練の鏡と精霊の大地

第10章 老人と塔

 そこにあったのは、人間の世界ではお馴染みの遊戯、スロットマシーンだった。


「ええっ!! なにこれ!? パチンコ屋とかにあるやつじゃないの?」


 球也は顔を近付ける。


 3つの小窓には、それぞれ異なったマークと数字が表記されてある。


「なるほど、だからコインが必要なのか……」


 球也は腰袋をはずし、中にあるコインを鷲掴みにした。遊んでみる気満々だ。


「とりあえず、これも重いし、減らさんといかんからなぁ」


 球也はコインを投入した。


「よっしゃ、まずはちょっと遊んでみるか」


 右にある赤い玉のついたレバーを引くと、小窓から見える絵や数字が縦に回りだす。


 球也はボタンを端からひとつずつ順番に押した。


 すると……


[7][7][7]



 いきなり数字の「7」が全部そろった。


「えっ!?」


『カチャンカチャンカチャンカチャン』



 確率変動



 次々と溢れ出てくる銀色のコイン。


 球也は苦い表情でそれを見つめていた。



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